赤穂緞通織機
赤穂緞通たつの工房ぎおん様よりご依頼いただきました織機の製作です。
赤穂緞通とは、日本の三大緞通、鍋島緞通(佐賀県)、堺緞通(大阪府)に並ぶ兵庫県赤穂地域一帯の伝統工芸品です。
伝統工芸品としての機能・価値は残しながら、新しいデザインの考案など、数十年後には伝統工芸品となるであろう緞通を織られる赤穂緞通作家さんです。
また、古くなった緞通の修復も行っておられ、身近に赤穂緞通の手触りを感じられるよう、身近な価格での小さな緞通も製作されています。
織り機に使用している樹種は“松”で、直径70㎝の丸太から自社工場で製材・乾燥・加工を一貫に行っております。
筬(おさ)という経糸(たていと)を通して緯糸(よこいと)を叩き込んでいく部分のみ硬くて重いラオス松を使用しています。
筬部分以外は全て一本の松から製材した共木(ともぎ)を使用することで、強度の全体的なバランスをとっています。
赤穂緞通工房ひぐらし様が使用されている織り機を実測し、改良を含め再現製作させていただきました。
金物・接着剤を使用していないので、解体や移設が可能です。
一工務店株式会社 代表 笹下の安月給でも手の届いた小物入れです。確か…¥5.000-で購入しました。
全体は柔らかいのですがハリがあり、数年経った今も全く毛足の弾力に劣化がありません。
まだまだ手が出せませんが、いつかは畳一帖分の赤穂緞通を.....
斗・虹梁(こうりょう)
土間庇
京都北山で厳選して厳選して厳選した磨き丸太です。
木は地面から空に細くなっています。通常の磨き丸太は3mの丸太で6㎝程度落ち(細く)ています。
この杉は9mで6㎝の落ちという滅多にない北山杉です。
9mの材料を運ぶにはトレーラーをチャーターする必要がありますが、それも含めたこだわりの材料です。
足固め
足固めは在来住宅でいう土台に近い部材ですが、基礎に緊結されていないところが大きく役割が違っています。
石の上に乗っているだけで固定されていません。固定されていないことで地震発生時に地盤の揺れを分散させる効果があり、家具さえ固定していれば倒壊の不安が小さくなります。
地震列島である日本で考えられてきた先人の知恵で、伝統構法の素晴らしいことろです。
古民家 大黒柱の根継ぎ
柱を表面から叩き、音と振動でどこまで腐食が進んでいるか調査。その後なるべく元の柱を多く残し、柱の受ける荷重や地震などの揺れに対する負荷などに合わせた継ぎ方を決めます。
大黒柱ですので、新材が古材の芯を受ける継ぎ方です。
特殊な案件の場合、特に、案件ごとに継ぎ方が変わるので一度きりの名前のない継ぎ手です。もちろん中はしっかり芯を受けています。
雪害
2019年台風24号
暴風により建物が揺らされ、合掌造りの骨組みを支える最も重要なケラバ(屋根の三角に見える部分)を結束する棕櫚縄が切れています。屋根本体の修繕に伴って調査を行い、内部の破損が発覚しました。
茅葺き屋根を覆う板金により、内部の状況が分かりにくくなっています。板金で覆うことによりメンテナンスの頻度は少なくなりますが、適度に内部の点検を行わないと目に見えないうちに損傷が進んでいる場合がいります。